18年10月例会開催報告

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18年10月例会開催報告

お世話になっております。

「なメ研」2018年10月例会は無事、終了いたしました。

ゲストには元中日新聞編集委員で「フリーライター、社会活動家」の白井康彦さんをお迎えしました。

白井さんは私、関口の尊敬する大先輩。中日新聞では経済部や生活部に長く在籍し、多重債務問題や貧困問題について鋭い記事を書き続けていました。中日新聞には珍しい…専門性を持った調査報道型の記者という印象です。ちなみに将棋の腕はプロ並みで、私が文化部で近くの席に座っていたころ、白井さんは将棋担当記者と対局の中継を見ながら熱く(私にはチンプンカンプンな指し手などを)語り合っていました。

そんな白井さんが近年、追い続けてきたのが厚労省による「物価偽装」問題。といってもピンと来る人は少ないかもしれません。「偽装」や「改ざん」が次々に出てくるこのご時世ですが、「物価偽装」は白井さんがほぼ孤軍奮闘で問題提起しています。この日は紙の資料や4年前に出版された自著『生活保護削減のための物価偽装を糾(ただ)す!』、そして現在、制作中だというホームページの一部を見ながら詳しく説明してもらいました。

しかし、これがなかなかすぐに理解して、ひとことで表現するのが難しい。さまざまな統計や計算式が出てきて、一つ一つ順番に意味を追うと納得できるのですが、どうしても時間がかかります。白井さん自身も「学校の6時間の授業で丸々やらせてもらえれば、小学生でも分かる」とおっしゃるほどで…。

いずれにせよ、かなり巧妙な手口で厚労省が物価指数(生活扶助相当CPI)の計算を操作し、物価が急激に下落したものとして生活保護費の予算を削減しました。それによって生活保護利用者1人につき月2000円ほどのお金が減らされたことになります。

こんな生活保護費削減は不当だとして現在、名古屋をはじめ全国約30カ所で訴訟が起こっていますが、案の定、国側はのらりくらりと追及をかわしているようです。白井さんは定年退職で会社組織を離れたこともあり、取材者から一歩踏み込んだ「活動家」を自認して「物価偽装があった事実を社会に広く周知する」と決意を表していました。

会場はいつものスタジオではなく、同じビルの和室を使ったため、まさに「寺子屋」のような雰囲気に。白井さんの熱く、ときおりユーモアの交じる語り口にどっぷりと浸かった2時間。その後の懇親会では、新聞やメディアの行く末をめぐってまた議論が盛り上がりました。白井さん、皆さん、本当にありがとうございました。

この模様は後日、会員専用ページに動画をアップします。正会員、メディア会員にご登録、ご入金してくださった皆さんにはログイン用パスワードをお伝えします。

11月は私と会場の都合でスキップさせてもらい、次回は12/6(木)19:00から、名古屋の弁護士、鈴木恵美さんを講師に招いて「著作権」を基礎から学びたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

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