18年9月例会開催報告
お世話になっております。
「なメ研」18年9月例会は無事、終了いたしました。
ゲストには愛知県出身のノンフィクションライター、藤井誠二さんをお招きして、9月に刊行されたばかりの近著『沖縄アンダーグラウンド』の取材、執筆過程などをお聞きしました。
20年以上前、初めて訪れた沖縄でタクシー運転手に連れて行かれた真栄原(まえはら)新町。「UFOが降り立ったみたいに」ネオンが輝いていたその街は、沖縄最大の売春街の一つ。青い海や反戦平和という沖縄に抱いていたイメージを覆された藤井さんはその街に惹かれていきますが、2010年ごろから地元警察や女性団体などの「浄化作戦」によって売春宿などが徹底的に排除され、ゴーストタウンのようになります。それを目の当たりにした藤井さんは「この街を生きた人々の声を残しておきたい」という気持ちに駆られ、数百人の関係者に取材を重ね、歴史資料を読み込んで完成させた労作が今回の著書です。
「沖縄の恥部」とまで言われた街について、外から来た「ヤマト」の人間である藤井さんが掘り起こすことに反発する人もいたそうです。それでも地道に協力者を探して「太い幹から枝葉を茂らせるように」取材を蓄積していきました。飛行機代など取材経費はほとんど自腹でしたが、最後に「クラウドファンディング」で取材経費を募るとすぐに目標額に達し、その後も何度も補足取材を重ねたそうです。厚みのある一冊ですが、内容はかなり削り込んだとか。編集者からの提案や直しはすんなりと受け入れて、文章や構成がどんどん変わっていったという話は結構、意外に感じてしまいました。
「事件もの」で数々のノンフィクションを世に送り出し、私もあこがれの存在であった藤井さんに登壇いただいたのは念願が一つ叶った気分です。会場は愛知淑徳大学で藤井さんのゼミをとっている学生さん2人も参加、フリートーク形式で和やかに進められました。藤井さん、皆さん、どうもありがとうございました。
例会の模様は後日、会員専用ページに動画をアップします。(結構、編集が必要なので時間がかかりそうです^^;)
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次回は10/26(金)、元中日新聞編集委員で現「フリーライター、社会活動家」の白井康彦さんをゲストに迎えて開催します。どうぞよろしくお願いいたします。